エイリアンVS. プレデター
『エイリアンVS. プレデター』と聞くと恐怖の悪役同士の闘いを連想すると思います。「エイリアン」と「プレデター」は続編が出るほどの人気シリーズでSF映画の「IF」を取り上げれば興味が引かれるタイトルだと思います。監督は『バイオハザード』のポール・W・S・アンダーソンで期待ができる作品だと言えます。「エイリアン」はシガニー・ウェーバーが主演で続編も通して作られています。「エイリアン」はシリーズを重ねるごとにシガニー・ウェーバーが「エイリアン」の専門家的な存在となって面白さが増してきました。「プレデター」はアーノルド・シュワルツェネッガーが主演で光学迷彩の異星人が人間狩りをする個性的な作品でした。今回の『エイリアンVS. プレデター』は謎の設定が多い作品です。まず、巨大複合企業ウェイランド社の人工衛星が南極の地底から発せられた謎の熱源を探知するところから始まります。ウェイランド社の社長はピラミッドの形をした謎の建造物であると知り、正体を暴いて歴史に名を残そうとします。主役は「エイリアン」か「プレデター」なのかを連想させる設定がないまま前半が過ぎて行きます。ここは残念です。謎の熱源とピラミッド構造に興味がない人にとっては退屈な時間でしょう。冷凍保存されたエイリアン・マザーが解凍されてからSF映画らしさが出てきます。そのエイリアンの子供たちをプレデターが狩ることでやっとストーリが見えてきます。「エイリアン」VS「プレデター+人間」で戦闘になる意外な展開です。「プレデター+人間」が正義でエイリアンが悪役となる意外なストーリは残念です。プレデターの最大の特徴である光学迷彩のシーンがありません。「エイリアン」の恐怖は強調されていますがプレデターの恐怖はなく人間に協力的です。『エイリアンVS. プレデター』の悪役同士の闘いを裏切る作品でした。ポール・W・S・アンダーソン監督にしては手抜き感が否めない映画で残念でした。